球面調和関数展開に基づく2種類の超接話マイクロホンアレイ

羽田 陽一  古家 賢一  小山 翔一  丹羽 健太  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J97-A   No.4   pp.264-273
発行日: 2014/04/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
論文種別: 特集論文 (音響学の発展を支える信号処理技術論文小特集)
専門分野: マイクロホンアレー
キーワード: 
近接マイクロホン,  マイクロホンアレイ,  球面調和関数展開,  球ベッセル関数,  エバネッセント波,  

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あらまし: 
マイクロホンの近傍にある音源に対しては収音感度が高く,音源が遠ざかるにつれ収音感度が急しゅんに減衰する超接話型の球面マイクロホンアレイを2種類提案する.超接話型マイクロホンアレイとして,キルヒホッフの境界積分方程式に基づき球中心の音圧を予測し,実際に観測した球中心での音圧との差分により接話効果を得る方法が従来提案されている.これに対し,第1の方法として,球中心の音圧を球面調和関数展開により求める方法を提案する.この方法は,境界面での音圧傾度を観測する必要がないため,従来法の半数のマイクロホンで中心音圧の予測が可能となる.一方,球面上での音圧を球面調和関数展開すると音圧が半径(距離)に依存する動径方向成分と,方位角・仰角に依存する指向性成分に分離できることを利用した動径方向フィルタリングも提案されている.これに対し本論文では,音源の波数で決まる次数よりも大きな次数の球面調和関数展開係数のみを用いると,急激に音が減衰するエバネッセント波領域での収音となることを利用した方法を提案する.これら4手法に対して,切頂20面体を基にした半径5cmの球面マイクロホンアレイを用いて計算機シミュレーションを行った.その結果,第1の提案法は従来法の約半数のマイクロホンしか用いていないにもかかわらず同様な性能を示すことが分かり,第2の方法も第1の方法より性能が悪かったが,接話効果が得られることが分かった.