位置及び速度を観測値とする六次元カルマンフィルタの過渡応答

小菅 義夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J96-B   No.11   pp.1294-1303
発行日: 2013/11/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 航行・誘導・制御方式
キーワード: 
追尾フィルタ,  カルマンフィルタ,  過渡応答,  レーダ,  GPS,  

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あらまし: 
自動車や航空機等の移動物体の位置及び速度の真値を推定する追尾において,初期状態での過渡応答の性能を改善するには,位置のほかに,速度を観測値として使用すればよいのではとの期待がある.一方,速度の観測精度が悪い場合,かえって性能が劣化するのではとの恐れがある.このため,一次元空間の追尾において,サンプリング間隔及び観測雑音共分散行列は一定との制約の下で,位置及び速度を観測値とした過渡応答用のカルマンフィルタは,位置のみを観測値とする線形最小二乗法及び速度のみを観測値とする算術平均法より,速度観測値の精度によらず,性能がよいことを報告した.しかし,例えば,GPS測位においては,観測誤差は三次元空間の各軸間に相関がある.また,近年のレーダはサンプリング間隔を任意に制御できる.本論文では,上記制約条件が成立しない場合でも,位置のみを観測値とする六次元カルマンフィルタあるいは速度のみを観測値として速度を推定するカルマンフィルタより過渡応答の性能がよい,位置及び速度を観測値とする六次元カルマンフィルタが構成できることを示した.