心拍変動時系列による自動車運転時の主観的疲労感推定の基礎的検討

横山 清子  髙橋 一誠  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J96-A   No.11   pp.756-762
発行日: 2013/11/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 高度交通システム(ITS)
キーワード: 
心拍変動時系列,  自動車運転,  疲労推定,  疲労の「自覚症しらべ」,  

本文: PDF(834.3KB)
>>論文を購入


あらまし: 
本研究では,心拍変動時系列から得られるパラメータを用いた,自動車運転時の自覚疲労の主観評価値の推定を目的とする.自動車運転時の居眠り防止のための眠気推定に関しては,多数の研究が行われており,その一部は既に実用化されている.しかし,「考えがまとまりにくい」「だるさ」等の生理・心理状態を眠気以外に拡大し対象としている例は少なく,また,眠気も含め生体信号による生体状態推定の実用化の例もほとんど認められない.実験では,健常男性9名を対象とし,ドライビングシミュレータによる1時間の運転作業を異日に3回行った.1時間の運転作業中の心電図と15分間隔で計4回,日本産業衛生学会が提案する疲労の「自覚症しらべ」から抜粋した9項目を測定した.この主観評価値に対し,測定直前5分間の心拍変動時系列を用いて重回帰分析を行った.ランダムに選択した54データで重回帰式を算出し,残りの54データで主観評価値の推定精度を確認した.その結果「ねむけ」「不安定」「不快」「だるさ」は,心拍変動時系列により推定できる可能性を得た.「ねむけ」は,眠気に抗するストレス状態であり,「不安定」「不快」の上昇に伴い拍動間隔時系列の標準偏差の増大と,副交感神経活動の抑制の傾向が見られた.「だるさ」については,副交感神経活動に関連するとの結果であったが,自覚される身体部位の相違により,副交感神経活動が賦活化するか,抑制されるかが異なる結果となった.