AspectFX:アスペクト指向によるRIA開発での協業を支援するフレームワーク

福田 浩章  山本 喜一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J93-D   No.7   pp.1165-1178
発行日: 2010/07/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 特集論文 (インターネット技術とその応用論文特集)
専門分野: 開発環境
キーワード: 
アスペクト指向,  フレームワーク,  リッチインターネットアプリケーション,  

本文: PDF(543.9KB)
>>論文を購入


あらまし: 
本論文では,リッチインターネットアプリケーション(RIA)開発におけるデザイナと開発者の協業を,アスペクト指向を導入して支援するフレームワーク,AspectFXの提案と実装について述べる.従来のウェブアプリケーションと異なり,RIAでは洗練されたデザインやアニメーション,操作性を提供する.そのため,RIA開発では画面をデザインするデザイナと,機能を実装する開発者の協業が必要になる.一般に複数人で行う開発では,開発やテストの効率を考慮し,アプリケーションを役割の異なるモジュールに分割することが望ましく,これらはMVCアーキテクチャやオブジェクト指向開発の導入によって実現されている.これらモジュールをアプリケーションとして機能させるには,モジュールに実装された機能の呼出しを記述する必要があるが,開発者は自身が担当する機能以外の呼出しも記述する必要があるため,モジュール間の依存が強くなり,デザインや仕様変更に伴う開発や運用コストの増大につながる.例えば,アニメーションの実装はデザイナが担当するが,開始や停止などの制御は一般に開発者がAPIを通じて行う.アニメーションに関する処理はデザイナにとって主要な作業になるが,開発者にとっては余計な作業であり,仕様変更に伴うプログラムの変更は開発者にとって煩わしい作業となる.そこで本論文では,RIA開発にアスペクト指向を導入し,モジュール間の機能呼出しを横断的関心事ととらえてソースコードから削除するとともに,各モジュールの関係を実行時に確立して一つのアプリケーションとして動作させるフレームワーク,AspectFXの設計と実装について述べる.AspectFXの導入によって,デザイナと開発者は自身の主たる作業に集中することができるだけでなく,デザインや仕様の変更に伴う開発や運用コストの削減が期待できる.