複数の非言語情報による自由なコミュニケーション中の嘘の自動判別の可能性の検討

大本 義正  植田 一博  大野 健彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J93-D   No.6   pp.848-856
発行日: 2010/06/01
Online ISSN: 1881-0225
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 特集論文 (情報爆発論文特集)
専門分野: ヒューマンコンピュータインタラクション
キーワード: 
コミュニケーション,  非言語情報,  嘘発見,  

本文: PDF(178.3KB)
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あらまし: 
本論文では,相手の意図を非言語情報から推測する必要がある典型的な状況として嘘発見に焦点を当て,機械的に計測された非言語情報から自動的に嘘を判別可能かどうかを実験的に検討することを目的とした.統制されたコミュニケーション環境での嘘の判別に関する知見は数多くあるものの,自由なコミュニケーション中の嘘を自動的に判別する研究は,我々の知る限り存在しない.本研究の目的のため,自発的に嘘をつくことができる実験環境を構築し,自由なコミュニケーション中の非言語情報を計測する実験を行った.この実験のデータに基づき,自由なコミュニケーション中の嘘の判別可能性を検討するために判別分析を行ったところ,70%程度の発話を正しく判別できることが確認された.また,個人差を考慮することで判別率を向上させられることが示唆された.更に,単独のモダリティの非言語情報ではうまく判別できないことが多く,複数の非言語情報を利用する必要性が示唆された.比較的高い確率で判別できた理由の一つとして,複数の非言語情報を統合的に利用することで,様々な非言語情報に現れる嘘の手掛りを適切につかむことができた点が挙げられる.