e-learningにおける学習者の顔動作観測に基づく主観的難易度の推定

中村 和晃  角所 考  村上 正行  美濃 導彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J93-D   No.5   pp.568-578
発行日: 2010/05/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: 教育工学
キーワード: 
e-learning,  教材評価,  顔動作,  主観的難易度,  

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あらまし: 
近年,多くの教育機関で,対面授業と並ぶ授業形態としてe-learningが普及しつつある.対面授業では,学習者の表情や姿勢変化等を教師がその場で直接観測することで,当該授業の難しさ・分かりやすさに対する学習者の印象を推測できるのに対し,e-learningでは,教師が学習者を直接観測できないため,学習者に課した教材の難しさ・分かりやすさに対する学習者自身の印象を推測・評価することが難しい.そこで本研究では,e-learning中の学習者の表情,視線,頭部姿勢といった顔動作をカメラで観測することにより,教材の難しさに対する学習者本人の主観的印象(これを"主観的難易度"と呼ぶ)を推定する処理の実現を目指す.まず,主観的難易度の推定に有用と思われる観測特徴量について予備実験を通じて検討し,学習者の顔位置・方向,注視位置,つぶやき時間の長さを特徴量候補として選んだ.次に,これらの特徴量候補と実際の主観的難易度との相関を調べ,多くの学習者において実際に有意な相関があることを確認した.ただし,この相関の有無や強さには個人差も存在することから,主観的難易度推定のための推定器を機械学習の手法により学習者ごとに構成し,これを用いて主観的難易度を推定する実験を行った.この結果,十分な推定精度が得られることが確認できた.