最適化したマルチキャリヤ信号と合成送信開口による高画質音響イメージング

伊藤 俊夫  杉本 雅則  橋爪 宏達  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J93-A   No.5   pp.341-352
発行日: 2010/05/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 超音波
キーワード: 
パルス圧縮,  合成送信開口(STA),  M系列,  マルチキャリヤ信号,  遺伝的アルゴリズム,  

本文: PDF(553.6KB)
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あらまし: 
本研究では,従来手法よりも高画質な画像を作り出すことのできる,新しい音響イメージングの手法を提案する.我々の手法は,パルス圧縮と二つの送信素子を用いた合成送信開口(STA)の複合手法に基づいており,高いSN比と分解能をもつイメージングを実現する.これらの手法を用いる場合,送信波形としては直交性の高い信号を使う必要がある.しかし,従来よく用いられていたM系列変調信号では,特に信号間の相互相関関数に現れる雑音によって画質が劣化する問題があった.そこで提案手法では,二つの送信素子を用いる場合を想定し,M系列変調信号よりも相関雑音の低い信号ペアを,マルチキャリヤ信号によって合成する.各信号を構成するサブキャリヤの振幅と位相を遺伝的アルゴリズムによって最適化し,信号ペアの相関雑音を抑圧した.2000世代分の遺伝的アルゴリズムの実行の結果,ピーク対平均電力比ではマルチキャリヤ信号の方がM系列変調信号よりも8dBほど高くなったが,相関雑音は8.3dBほど抑えられることを確認した.また,これらの信号を用いたシミュレーションで画像再構成を行ったところ,画質の改善も確認された.