Take-it-or-Leave-it方式の再配分オークションメカニズムの提案

櫻井 祐子  斎藤 恭昌  岩崎 敦  横尾 真  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J92-D   No.11   pp.1861-1868
発行日: 2009/11/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 特集論文 (ソフトウェアエージェントとその応用論文特集)
専門分野: メカニズムデザイン
キーワード: 
オークション,  メカニズムデザイン,  再配分オークションメカニズム,  戦略的操作不可能性,  強予算制約,  

本文: PDF(305KB)
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あらまし: 
エージェントやマルチエージェントシステム研究分野において,オークションのメカニズム設計に関する研究が盛んに行われている.近年,一般的なオークションだけでなく,再配分メカニズムと呼ばれるオークションのメカニズム設計が注目されている.入札者らが共同所有する財を対象にオークションを行う場合,落札者が支払った支払額をどうすればよいかが問題となる.支払額が誰の手にも渡らずに残れば,その分の社会的余剰が減少することとなる.そこで,再配分メカニズムでは財の割当を決めるだけでなく,支払額を入札者らで配分する方法も与える.本論文では,戦略的操作不可能性と,すべての支払額を入札者らに再配分可能,すなわち,強予算均衡を満たす,新しい再配分メカニズム(RM-TLA)の提案を行う.RM-TLAは,主催者が各入札者に提示価格を示し,入札者はその価格に対して受諾/拒否を申告するTake-it-or-leave-it方式に基づく.したがって,RM-TLAでは,入札者は入札額を申告する必要がない.入札額は重要な個人情報であり,入札額に関して公開する情報量が少ない方が望ましい.更に,我々は,入札者が得る効用の分散(公平性)について着目し,RM-TLAが既存のメカニズムよりも公平性が高くなることと,得られる社会的余剰を改善できることを計算機実験によって示した.