等速直線運動モデルを使用した定常カルマンフィルタのゲイン

小菅 義夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J91-B   No.7   pp.776-784
発行日: 2008/07/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 航行・誘導・制御方式
キーワード: 
追尾フィルタ,  カルマンフィルタ,  α-βフィルタ,  定常状態,  ゲイン,  

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あらまし: 
等速直線運動モデルを使用した追尾法について述べる.その代表例は,カルマンフィルタあるいは一次元空間用のα-βフィルタを使用したものである.カルマンフィルタでは,運動モデルのあいまいさを表す駆動雑音共分散行列をあらかじめ設定する.しかし,駆動雑音共分散行列が,どう追尾性能に影響するかを解析的に算出するのは困難である.一方,等加速度で運動する目標に対して,定常状態での予測誤差の共分散行列及び追従誤差の平均を同時に算出する式が報告されている.これらの算出には,位置及び速度の定常ゲイン行列を使用する.しかし,駆動雑音共分散行列より,定常ゲイン行列を解析的に算出する方法の報告はない.本論文では,駆動雑音共分散行列と観測雑音共分散行列とが可換として,駆動雑音共分散行列,観測雑音共分散行列及びサンプリング間隔より,位置及び速度の定常ゲイン行列を算出する式を明らかにする.この算出式を使用すれば,駆動雑音共分散行列より定常状態の追尾性能が解析的に求まることになる.また,この算出式を一次元空間の追尾に限定すれば,駆動雑音の分散より位置及び速度のゲインが算出可能な従来のα-βフィルタの結果と一致することを示す.