バイコヒーレンス推定における抉れ問題と白色化による改善

兼弘 光明  戸田 尚宏  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J91-A   No.9   pp.861-868
発行日: 2008/09/01
Online ISSN: 1881-0195
DOI: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 通信理論,信号理論基礎
キーワード: 
高次スペクトル,  バイスペクトル,  バイコヒーレンス,  非正規性,  白色化,  

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あらまし: 
解析対象の時系列が非正規性をもつ場合には,パワースペクトルから得られる周波数成分だけでなく,高次のスペクトルを用いることにより,より有益な情報が得られる可能性がある.三次のスペクトルであるバイスペクトルや,これをパワースペクトルで規格化したバイコヒーレンスが医療機器やプラズマ解析,天体信号解析に用いられるなど近年注目されている.しかし,推定に用いる時系列長や,その統計的性質により推定値が真とは異なり,非正規性を正しく検出できない場合がある.本論文では,そうした中でも,バイコヒーレンス推定において,時系列が強い有色性をもつ場合にはバイコヒーレンスの値が大きく抉(えぐ)れてしまう現象が起こり,しかもセグメント数(標本数)をいくら増やしても,セグメント長が短い場合には消失しないという問題となることを数値実験により指摘する.また,この問題を改善するために,推定したスペクトルに含まれているバイアス成分が,セグメント長と有色性に依存していることに注目し,時系列を線形FIRフィルタにより白色化した後にバイコヒーレンス推定を行う方法が効果的に働くことを数値実験を用いて示した.