AR過程に基づく高精度な極推定法とNMR構造解析への応用

村田 恵介  久保田 一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J91-A   No.8   pp.772-781
発行日: 2008/08/01
Online ISSN: 1881-0195
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: ディジタル信号処理
キーワード: 
極推定,  ARスペクトル推定,  核磁気共鳴,  高次多項式,  DNA,  

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あらまし: 
現在,分子構造解析手法などの主流となっているFT-NMRによるFID信号の分析にはFFTが用いられており,その結果は吸収スペクトルとして表される.NMRスペクトル解析の最初の段階ではその極を得ることが重要であり,極の周波数は吸収スペクトルから求めることができる.しかし減衰率については別の手動操作が必要となる.極を一元的に求めるには,測定対象をARシステムとみなし,そのAR係数を推定すればよい.しかし,NMRによるFID信号の極の数はときに数百にも達し,従来のARスペクトル推定では推定結果から極を求める段階で生ずる大きな求根誤差を回避できない.そこで本論文では,AR過程に基づく高精度な極推定法とNMR構造解析への応用について報告している.提案手法を用いた結果,従来法に比べ二乗誤差の観点で優位性があることを示している.また,局所最適解に陥る問題を解決するためにランダム初期値による方法を用い,実測FID信号に対して有効であることを示している.