残響抑圧処理による音声品質改善効果の要因分析

古家 賢一  片岡 章俊  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J91-A   No.8   pp.763-771
発行日: 2008/08/01
Online ISSN: 1881-0195
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 電気音響,音響一般
キーワード: 
残響抑圧,  主観評価,  因子分析,  音声品質,  

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あらまし: 
本論文では,残響抑圧処理された音声の品質を,よく知られている9種の客観尺度と主観評価値MOSにより評価・分析を行い,残響抑圧処理による音声品質改善効果の要因を明らかにする.まず,音声品質MOSの推定値として相関係数が大きかった客観尺度は,NMR(ノイズマスキング比)で0.91,次にCD(ケプストラム距離)で0.83であり,それらがトータルの音声品質に対応している客観尺度であることが分かった.次に,因子分析で主観評価結果を分析することにより品質の決定要因を抽出し,それらの因子に対応する物理的な客観尺度を分析して,品質を決定する要因として残響時間に対応する主観因子(残響感)<,STI(音声明りょう度指数)に対応する主観因子(明りょう性)<,SNRに対応する主観因子(自然性)を抽出した.抽出された因子空間での残響抑圧処理の音声品質改善効果を分析することにより逆フィルタ処理では明りょう性を改善し,振幅スペクトル制御では残響感を小さくする効果があり,これらの組み合わせたハイブリッド処理によってより効果的に品質を向上させることができることが分かった.