等速直線運動モデルを使用したWMCM法による追尾フィルタの安定性とゲイン行列

小菅 義夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J90-B   No.5   pp.509-518
発行日: 2007/05/01
Online ISSN: 1881-0209
DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 航行・誘導・制御方式
キーワード: 
カルマンフィルタ,  追尾フィルタ,  安定,  ゲイン,  

本文: PDF(572.4KB)>>
論文を購入




あらまし: 
目標位置を観測値として,位置及び速度の真値を推定する追尾法について述べる.この代表例は,三次元空間用のカルマンフィルタあるいは一次元空間用の α-β フィルタである.ここで,カルマンフィルタにおける平滑誤差共分散行列の算出において,正の定数を観測雑音共分散行列に乗算して使用する追尾法(これをWMCM(Weighted Measurement Covariance Matrix)と呼ぶ)が報告されている.また,WMCM法よりゲイン α,β 及び上記定数の関係が既知である安定な α-β フィルタが導出できる.なお,WMCM法は,定数が1より大きいときは H フィルタ,定数が1のときはカルマンフィルタの理論より得られる.しかし,従来は,定数が1以外のWMCM法において,定常状態でのゲイン行列が存在するための条件及び漸近安定となるための条件が明確ではなかった.本論文では,WMCM法において,観測雑音共分散行列及び三次元の速度ベクトルに対する駆動雑音共分散行列が正値ならば,位置及び速度ベクトルに対する定常ゲイン行列が存在し正則であることを示す.更に,上記定数が0.5以上ならば,漸近安定であることを示す.