検出/非検出情報に基づくオープン故障の一診断法

佐藤 雄一  高橋 寛  樋上 喜信  高松 雄三  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J89-D   No.4   pp.778-787
発行日: 2006/04/01
Online ISSN: 1881-0225
Print ISSN: 1880-4535
論文種別: 論文
専門分野: ディペンダブルコンピューティング
キーワード: 
故障診断,  オープン故障,  フェイルテスト集合,  パステスト集合,  検出/非検出情報,  

本文: PDF(326.6KB)
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あらまし: 
微細化技術の進展並びに高集積化・多層化に伴い,配線の接続不良によるオープン故障の診断が不可欠になっている.また,スキャンフリップフロップ数の増加及び組込み自己テスト(BIST)の導入によって,被検査回路の故障を検出するテストごとに誤りを観測する外部出力及びスキャンフリップフロップの位置を知ることが困難になっている.本論文では,検出/非検出情報に基づく分岐元信号線の単一オープン故障の診断法を述べる.検出/非検出情報は,テスタから得られる,被検査回路の故障を検出するテスト(フェイルテスト)の集合と故障を検出しなかったテスト(パステスト)の集合の情報,及びこれらのテストに対する故障シミュレーションによって得られる,仮定した故障を検出できるか否かの情報である.提案する診断法は,まず,分岐先信号線における単一縮退故障に対して,フェイルテストを用いて単一縮退故障シミュレーションを行う.その故障の検出回数に基づいて故障候補の分岐元信号線を推定する.次に,故障候補の分岐元信号線から分岐する分岐先信号線における単一縮退故障に対して,パステストを用いて単一縮退故障シミュレーションを行う.その検出回数に基づいて被検査回路に存在しないと推定される故障候補の分岐元信号線を削除する.更に,診断分解能を向上させるため,故障候補の分岐元信号線から分岐する分岐先信号線における多重縮退故障に対して,フェイルテストを用いて多重縮退故障シミュレーションを行い,その検出回数を利用して故障候補を指摘している.ISCAS'85ベンチマーク回路及びフルスキャン化されたISCAS'89ベンチマーク回路に対する実験結果では,提案した故障診断法は,ほとんどの故障回路に対して指摘した故障候補の数を5個以下にできることを示している.