航跡型MHTによる目標追尾開始の性能評価

小幡 康  系 正義  小菅 義夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J88-B   No.5   pp.987-996
発行日: 2005/05/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 航行・誘導・制御方式
キーワード: 
追尾,  相関,  追尾開始,  MHT,  GNN,  

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あらまし: 
レーダ等のセンサから得られる観測値を使って目標の運動諸元を推定する追尾の初期段階において,目標航跡を決定し,運動諸元の初期値を計算する追尾開始が必要となる.不要信号環境下での追尾開始では相関決定と航跡確立判定の方法が性能を左右する.相関決定にGNN (Global Nearest Neighbor)法,航跡確立判定に nm 検出法を用いる従来の一般的な追尾開始方式では,目標航跡の確立の遅れや誤航跡の発生が問題となっていた.これに対して,相関決定を多重仮説化し,航跡確立判定にベイズ推定手法を用いた航跡型MHT (Multiple Hypothesis Tracking)が提案されている.本論文では,航跡型MHTの追尾開始方式の航跡確立判定について考察し,更に捜索レーダへの適用を想定したシミュレーション評価を行った.その結果,例えば,探知確率0.5,誤警報確率 5.0× 10-4 なる観測条件では,航跡型MHTが目標航跡の開始に要する時間は従来方式の0.8倍に短縮され,誤航跡発生数は0.32倍に削減された.また探知確率が更に低い状況や,誤警報確率が高い状況でも航跡型MHTが従来方式を上回る性能を示すことを明らかにした.