観測雑音逓倍法から導出した α-β フィルタの比較

小菅 義夫  系 正義  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J87-B   No.2   pp.274-284
発行日: 2004/02/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 航行・誘導・制御方式
キーワード: 
追尾フィルタ,  Hフィルタ,  カルマンフィルタ,  α-βフィルタ,  レーダ,  

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あらまし: 
目標位置をレーダ観測値として,位置及び速度の真値を推定する追尾法について述べる.追尾法の代表例は,3次元空間用のカルマンフィルタあるいは1次元空間用の α-βフィルタである.ここで,Hフィルタはカルマンフィルタを拡張したものである.ところで,カルマンフィルタにおけるリカッチ方程式の解の算出式において,1より大きい定数を観測雑音共分散行列に乗算して使用する追尾法は,Hフィルタの理論より得られること及び α-βフィルタが導出できることが報告されている.本論文では,1以上とは限らない定数を観測雑音共分散行列に乗算して使用する追尾法(これを観測雑音逓倍法と呼ぶ)を提案した.また,観測雑音逓倍法から α-βフィルタを導出した.更に,この α-βフィルタは,定数が負でも安定となる場合があることを示した.更にまた,等加速度運動目標に対する定常追従誤差が一定との条件のもとでの等速直線運動目標に対する追尾精度で,上記 α-βフィルタの追尾性能を評価した.この結果,定数は,-0.5~0.5の範囲で最適となることが分かった.また,観測雑音逓倍法による性能改善効果が,数十%となる場合があることを示した.