可逆DCTにおける乗算器係数の最適語長配分法

西田 治  岩橋 政宏  神林 紀嘉  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J86-A   No.6   pp.694-702
発行日: 2003/06/01
Online ISSN: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 画像
キーワード: 
可逆,  DCT,  感度,  語長,  ラウンディング,  

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あらまし: 
可逆/非可逆・統合符号化の一手法としてリフティング構成された可逆DCT(LDCT)が近年研究されている.例として,乗算器のない4点可逆アダマール変換を用いてLDCTの乗算器数を低減する手法や,非分離型2次元構成による丸め誤差の低減手法などが挙げられる.しかし,演算負荷の軽減を目的とした乗算係数値の短語長化については,LDCTに関してはこれまであまり研究されていない.本論文ではLDCT内の乗算器係数値の短語長化による画質劣化の度合として「画質係数感度」を新たに定義し,これを用いた乗算係数値の語長配分法を提案する.シミュレーション実験の結果,一様な語長配分を行った場合よりもおよそ2ビット程度短い平均語長で同等の画質を実現できること,及び,従来の実数乗算を,平均語長3 [bit]程度の整数乗算に置換できることが示された.本論文で述べた係数感度を考慮して従来の実数乗算を整数乗算に置換することで,例えばリアルタイムソフトウェアエンコーダのような応用における処理の高速化や,ハードウェア実現時の回路規模の縮小が期待できると考えられる.