ワークステーションクラスタを用いた放射線治療計画の高速化

佐藤 裕幸  中川 隆文  依田 潔  中島 克人  坂本 豪信  遠藤 真広  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J85-D1   No.2   pp.184-192
発行日: 2002/02/01
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Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 論文
専門分野: 計算機システム
キーワード: 
分散並列処理,  負荷分散,  性能評価,  放射線治療,  

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あらまし: 
遠隔地の複数の医療機関から利用される重粒子線がん照射施設における治療計画では,効率的な治療を行うために,患者体内の3次元線量分布を正確に計算しなければならないが,処理時間を要するので治療計画の効率が悪いという問題点があった.そこで我々は,Alpha21164A CPUを100 Mbit/sイーサネットで接続したクラスタシステムを用いて,線量分布計算(Dose)やディジタル再構成X線撮影画像生成(DRR)を並列処理により高速化した.この並列化は計算領域を分割することにより行い,データ圧縮などによりプロセッサ間の通信時間を抑え,また,各プロセッサに複数領域を担当させることで負荷を均等化している.評価実験の結果,実際の医療現場でパラメータを変えながら何度も繰り返し行われている部分が10プロセッサを用いてDoseが7倍,DRRが9倍高速化され,台数に比例して高速化できることを確認した.これは,これまで数十秒かかっていた処理が,3~6秒と端末の前で待っていられる時間まで短縮されたことになる.今後は,遠隔地の複数の医療機関から利用できるようにするために,計算サーバとしての信頼性を確保する故障対策等の機能を検討していきたいと考えている.