フリップフロップの直流電源上のインパルス性ノイズに対する誤動作解析

塚越 常雄  仁田 周一  武藤 篤生  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J85-B   No.1   pp.105-118
発行日: 2002/01/01
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DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 環境電磁・EMC
キーワード: 
フリップフロップ,  ノイズイミュニティ,  過駆動率,  時定数,  過渡応答,  

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あらまし: 
2石のトランジスタで構成されたフリップフロップを,電源ノイズセンサとして用いることを前提として,本研究では,その直流電源 Vcc 上に印加されるインパルス性ノイズによる出力反転のメカニズムを動的に解析するための,非線形なトランジスタモデルによらない簡易回路モデル,及び,出力端子 Vc1(図1 (a)参照)と電源の印加電圧 Vin との電圧比較で反転の有無を判断する簡易反転モデルを提案する.また,これらのモデルを用いて得られるフリップフロップの過渡応答特性からノイズイミュニティを推定する手法を提案し,本手法による推定値を,SPICEによるシミュレーション値及び実験値と比較し,簡易回路モデルの時定数 Tc(図1 (d)では Rc1R12C1 で構成される)及びトランジスタの ODF(OverDriving Factor;過駆動率)の限定された範囲内で,このモデルの妥当性を検証する.その結果,インパルス性ノイズの印加された電源の印加電圧 Vin に対して,簡易回路モデルの時定数 Tc が出力端子 Vc1 の応答遅れを生じ,電源電圧が下降するときに一時的に電源電圧との間に Vc1>Vin となる逆電位こう配が発生し,これによって,電源側に電流が逆流し,トランジスタのベース電流を負方向にすることが出力反転の原因であることを明らかにする.