適応マルチコード伝送方式を用いた2.4 GHz帯無線LANシステムの伝送特性

渡邊 一弘  宮本 伸一  森永 規彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J85-B   No.12   pp.2209-2222
発行日: 2002/12/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (無線アドホックネットワーク技術論文特集)
専門分野: 符号化・変復調
キーワード: 
2.4 GHz帯無線LANシステム,  適応マルチコード伝送方式,  人工雑音,  IEEE 802.11b,  

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あらまし: 
近年,WWW(World Wide Web)や電子メール等,インターネットサービスに代表されるコンピュータネットワークの急速な普及に伴い,インターネット接続を要望するユーザが増加してきている.特に,ノートパソコンやPDA(Personal Digital Assistant)等,小型携帯情報端末や情報家電機器の普及に伴い,時や場所に拘束されることなくネットワークへの接続やそれらの端末どうしを相互に接続する無線によるオフィス内,家庭内ローカルエリアネットワーク(LAN)を利用するユーザが増加している.様々な無線LANシステムのなかでも,2.4 GHz帯無線LANシステムは,利用周波数帯の拡大,低価格化,並びに免許不要など,ユーザが利用しやすい環境が整ってきていることから注目されている.しかしながら,有線系ネットワークと比較してその伝送速度は依然不十分であり,更なる高速化技術の進展が望まれている.また,ISM ( Industrial,Scientific and Medical ) 機器と重畳する周波数帯を利用するため,ISM機器から発生する人工雑音により,伝送特性は大幅に劣化する.本論文では,2.4 GHz帯無線LANシステムの伝送特性の改善を目的として,伝搬路状況に応じて同時伝送符号数を適応的に変化させる適応マルチコード伝送方式を提案し,提案方式の伝送特性に関する検討を行っている.その結果,伝搬路状況が良好な場合においては,従来を上回る最大22 Mbpsの高速伝送が実現できること,並びに,人工雑音発生時等,伝搬路状況が劣悪な場合においては,低速ながらもある程度の伝送速度を確保できることを確認した.また,一様フェージング環境下並びに周波数選択性フェージング環境下においても同様に提案方式の伝送特性について検討を行い,一様フェージング環境下における本提案方式の有効性の確認並びに周波数選択性フェージング環境下での遅延波の影響について考察した.