架空名義入札に頑健なダブルオークションプロトコル

横尾 真  櫻井 祐子  松原 繁夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J84-D1   No.8   pp.1140-1149
発行日: 2001/08/01
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Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 特集論文 (ソフトウェアエージェントとその応用論文特集)
専門分野: モデル/理論
キーワード: 
オークション,  架空名義入札,  ゲーム理論,  

本文: PDF(190.8KB)
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あらまし: 
オークションは急成長している電子商取引の重要な一分野であり,ソフトウェアエージェント技術の有望な適用領域であると考えられる.インターネットを利用することにより低コストで大規模なオークションが可能となった一方で,ネットワークでの匿名性を利用した新しいタイプの不正行為が問題となる.本論文では,このような不正行為の一つである架空名義入札に対して頑健性が保証される,新しいダブルオークションプロトコルを提案する.ダブルオークションは買手/売手の双方が複数存在し入札を行うオークションであり,外貨,証券,株等の取引に広く用いられている.従来,架空名義入札が存在しない場合には,支配戦略において誘因両立的であるダブルオークションプロトコル (PMDプロトコル)が提案されている.一方,売手が別の名義を用いて,買手になりすまして入札を行うといった架空名義入札の可能性を考えると,PMDプロトコルでは,入札者は架空名義入札によって利益を増やすことが可能であり,誘因両立性は保証されない.本論文では,架空名義入札が可能な場合でも,支配戦略において誘因両立的である,しきい値価格ダブルオークションプロトコル(Threshold Price Double auction protocol,TPD)を提案する.TPDプロトコルの特徴は,財のしきい値価格を用いて可能な取引の数及び取引価格を制御することである.シミュレーションを用いた実験結果を用いて,適切なしきい値価格を設定することにより,TPDプロトコルでパレート効率的な割当てに非常に近い社会的余剰が得られることを示す.