不等サンプリング間隔の観測データを用いた追尾初期化方式

福島 冬樹  系 正義  辻道 信吾  小菅 義夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J84-B   No.7   pp.1373-1382
発行日: 2001/07/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 計測・探査
キーワード: 
追尾フィルタ,  追尾初期化,  カルマンフィルタ,  多重仮説,  

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あらまし: 
追尾初期化時において航跡を確立する場合,MHT(Multiple Hypothesis Tracking)処理を用いる方式が検討されている.MHT処理では,演算時間を削減する目的で仮説数を縮小するための準最適化処理が重要となる.準最適化処理の一つとして,仮説生成するごとに,信頼度の大きい仮説のみ選択することで,仮説を制限する方法がある.ところが,機械的回転型のセンサを使用するとき,ある回転において同一目標による観測データを短い間隔で複数得るものの,次の回転までは長時間にわたり観測データが得られない.このようなとき,従来のMHT処理により追尾初期化方式では,性能維持の観点から仮説を多く棄却できず,結果的に演算時間が増大する.このような状況は具体的には,スキャン(センサのビーム走査による所定の領域すべての観測)ごとに数サンプリングにわたり目標の観測を行い,第1スキャンにおける最後のサンプリングと第2スキャンにおける最初のサンプリングの時間差が大きい特徴をもつセンサを用いた場合に発生する.本論文では,上記の問題点の対策として,あらかじめ各スキャン(第1スキャン,第2スキャン)ごとに航跡の候補を確立した後,それらの航跡を融合して2スキャン分の目標航跡を確立することにより,所望の初期化性能を達成するのに必要な仮説数を削減し,少ない演算時間で追尾初期化処理が行える方式を提案した.また,従来のMHT処理を用いる追尾初期化方式と提案した追尾初期化方式で,追尾初期化に要する処理時間を比較した.