FSSを備えた集束ビーム給電系のFSSが放射特性に及ぼす影響

宮原 典夫  水野 友宏  松本 操一  出口 博之  浦崎 修治  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J84-B   No.11   pp.2017-2026
発行日: 2001/11/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: アンテナ,伝搬
キーワード: 
反射鏡アンテナ,  多周波共用,  集束ビーム給電系,  周波数選択板,  

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あらまし: 
衛星通信地球局用アンテナや電波天文用アンテナには集束ビーム給電複反射鏡アンテナが広く用いられている.多周波数帯でアンテナを共用する場合,集束ビーム給電系に周波数選択板(FSS)を設けて分波する構成が有効である.従来,鏡面系にFSSを含むアンテナを設計したり,その放射特性を評価する場合,まず,FSSを反射または透過するように使用する周波数帯において,FSSをそれぞれ理想的なFSSとしての金属板または透明板でモデル化し,アンテナの放射特性を求める.次に,FSS単体の反射損失または透過損失を求める.これらの損失は,理想的なFSSをもつアンテナの放射特性に利得低下として見積もられていた.しかし,FSSへ入射する電波の入射角や偏波によりFSSでの反射透過特性が異なるので,FSSに接続される集束反射鏡への入射波の放射パターンやアンテナ系全体の放射パターンは,理想的なFSSでモデル化した集束反射鏡を用いた場合と比較し差異が生じる.したがって,FSSを用いた集束ビーム給電複反射鏡アンテナを正確に設計・評価するためには,FSSによる損失だけでなく,FSSの反射透過特性が放射特性に及ぼす影響を考慮する必要がある.本論文では,一部分にFSSを設けた1枚の集束反射鏡を含む集束ビーム給電系について,1次放射器の基本モード(EH11)で励振した場合を対象に,上記FSSが放射特性に及ぼす影響について検討した.集束ビーム給電系の電磁界の計算については,波動的な効果を考慮するためにビームモード展開法を用いた.FSSの反射透過特性の計算には,FSSによる散乱電磁界をFloquetモードで展開し,FSS上の電界分布をモーメント法により決定する簡易的な方法を用いた.更に,金属部分とFSS部分の反射位相の違いによる放射特性への影響を低減するために,FSSを設ける位置をオフセットすることにより両部分の反射波の位相差を補償する方法を提案し,有効であることを示した.