広域複数センサシステムにおける遅延データ対処型目標追尾フィルタ

系 正義  辻道 信吾  小菅 義夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J84-B   No.10   pp.1857-1868
発行日: 2001/10/01
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 航行・誘導・制御方式
キーワード: 
目標追尾,  カルマンフィルタ,  遅延,  

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あらまし: 
広域に配置された複数のセンサの観測値を集めて目標追尾を行う場合,各センサのデータが追尾フィルタに到着するまでの遅延時間がセンサごとに異なる. このため,観測時刻の早いデータが観測時刻の遅いデータより後に到着することがある.このとき,追尾フィルタは,既に最新時刻に対する推定処理を終えたのちに,過去の時刻の観測結果を取り込む必要に迫られる.本論文では,カルマンフィルタの導出方法を応用することにより,遅れて到着した古い時刻の観測値で最新時刻の状態ベクトル推定値を更新するためのフィルタアルゴリズムを導出した.本フィルタは,更新後の推定値の2乗平均誤差が最小となる意味で最適な結果を与えるフィルタであるとともに,過去の時刻にさかのぼって処理を再実行することなく,逐次処理の形式で目標追尾計算を継続することができる.本フィルタの性能をシミュレーションにより検証した結果,本フィルタでは,観測値が時系列データとして得られた際にカルマンフィルタで処理を行った場合と,ほぼ同等の推定精度を実現できることを確認した.また,従来法と比較した場合,駆動雑音パラメータの設定値が大きいときに,従来法よりも高い推定精度が得られることを確認した.