惑星の電波オカルテーション観測のためのレイトレーシングを用いたコヒーレント・シグナル・アレイング

大森 康伸  水野 英一  廣澤 春任  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J83-B   No.3   pp.343-351
発行日: 2000/03/25
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 計測・探査
キーワード: 
レイトレーシング,  オカルテーション観測,  コヒーレント・シグナル・アレイング,  海王星,  電波科学,  

本文: PDF(704.8KB)
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あらまし: 
惑星探査機が惑星の背後を通過する際に,地上局で受信される電波から惑星大気に関する情報を求める電波オカルテーション観測に関して,二つの受信局で取得したデータをコヒーレントに重ね合わせて SN 比の増大を図るコヒーレント・シグナル・アレイングという手法がある.本論文は,コヒーレント・シグナル・アレイングを行うにあたって必要な電波の伝搬路の推定にレイトレーシングを適用することを提案するもので,適切なレイトレーシングの方法として,惑星大気の屈折率分布モデルに基づいて,微分方程式を満たす伝搬路を逐次的に追跡する方法を考案した.ボイジャー2号の海王星オカルテーション時の受信データに関して本手法を適用した結果,2受信局で受信された2.3 GHzのデータを約10~20 Hzの周波数差まで位相合せすることができ,コヒーレント・シグナル・アレイングを行った結果は,約2 dBの SN 比の向上という,アレイングから期待される効果を示した.