上位層プロトコルがネットワークトラヒックの自己相似性に与える影響

住田 義明  大崎 博之  村田 正幸  宮原 秀夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J82-B   No.6   pp.1126-1137
発行日: 1999/06/25
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 通信網,通信サービス
キーワード: 
ネットワークトラヒック,  自己相似性,  ハーストパラメータ,  TCP/IP,  サービス品質,  

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あらまし: 
これまでの研究で,LANやWAN上で計測されるトラヒックが自己相似性を有 することが指摘されている.しかし,なぜネットワーク上のトラヒックに自己 相似性が発生するか,またトラヒックの自己相似性がネットワークの性能にど のような影響を与えるかは十分に明らかにされていない.また,トラヒックの 自己相似性が,上位層のプロトコルによる再送処理等も含めたファイル単位の 転送遅延時間やスループットなど,ユーザが直接感じるネットワークの性能に どのような影響を与えるかについても検討が行われていない.そこで本論文で は,上位層にTCP/IPを用いたネットワークにおいて,ネットワークを流れる トラヒックに自己相似性が発生する原因を,シミュレーション手法を用いて明 らかにする.また,トラヒックの自己相似性がパケット転送遅延時間やパケッ ト棄却率といったネットワークの性能にどのような影響を与えるかについても 評価を行う.更に,トラヒックの自己相似性が,ユーザが感じるネットワー ク性能にどのような影響を与えるかをについても検討を行う.その結果,トラ ヒックの自己相似性は,スイッチでのパケット棄却率の影響を受けること,及び上位層にTCP/IPの制御がある場合にはネットワークに加わるトラヒック の自己相似性が保存されることを明らかにする.また,ファイル単位の平均転 送遅延時間や実効スループットのような,平均的なネットワーク性能はあまり 自己相似性の影響を受けないが,ファイル単位の99.9 %転送遅延時間は自己 相似性によって大きく影響されることを示す.