楽観的データ整合性モデルを用いた放浪型メッセージングシステム

黒田 正博  井上 淳  渡辺 尚  水野 忠則  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J82-B   No.5   pp.827-838
発行日: 1999/05/25
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Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 特集論文 (ネットワークソフトウェア論文小特集)
専門分野: アプリケーションサービス
キーワード: 
データ整合性,  メッセージングシステム,  無線システム,  データ複製,  スケーラビリティ,  

本文: PDF(823.9KB)
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あらまし: 
楽観的データ整合性モデルは, 分散システムでのデータ整合性とデータ利用性を確保するために用いられてきた. 筆者らは,複数利用者のデータ同時更新と その更新コンフリクト発見の解決を図るバージョンベクタをもとにした データバージョン管理方式を提案した. 本論文では,この方式を基本としたメッセージ管理方式と その上の放浪型メッセージングシステムを提案する. モバイル端末利用者が,いずれかのメッセージングサーバに接続し, その端末及びサーバのメッセージをバージョンベクタによる メッセージデータバージョン管理方式により最新にする. メッセージングシステムは,データ整合性と利用性を確保したインフラとして, ネットワーク非接続状態でのメッセージ操作, 次回ネットワーク接続時のそのメッセージ操作のシステムへの反映をサポートしている. また,差分データ転送による効率的なデータ転送,同期のユーザコントロール を実現している. 試作システムの評価では,整合性確保のためのメッセージ 更新待ち時間が実用に耐える ことを確認すると同時に,CPU負荷/メモリ消費量も低いことが確認できた. ネットワーク非接続時操作はモバイル端末利用者に有効であり, データ整合性確保のためのサーバ接続が1箇所に集中せず, ユーザ操作の圧縮によりネットワーク占有が少なくなり,しかも メッセージ管理のためのCPU/メモリ消費も少ないことから, システムとしてスケーラブルであるといえる.