誤再送を考慮したTCPのふくそう制御方式/エラー回復方式の改善

長谷川 剛  村田 正幸  宮原 秀夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J82-B   No.11   pp.2074-2084
発行日: 1999/11/25
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DOI: 
Print ISSN: 1344-4697
論文種別: 論文
専門分野: 通信網,通信サービス
キーワード: 
ATM(Asynchronous Transfer Mode),  TCP(Transmission Control Protocol),  フロー制御,  エラー回復制御,  セグメント誤再送,  

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あらまし: 
現在トランスポート層プロトコルとしては, TCP(Transmission Control Protocol)が広く一般的に使用されている. そのため,将来ネットワークのATM化が進むと, ATM層の上位層であるトランスポート層にTCPが位置することになる. しかし,ATMの標準はTCPを十分考慮した設計がなされてきたわけではなく, 様々な問題が発生することが指摘されている. 本論文では,特にネットワークの高速化に伴うTCPの問題点として, 受信側端末で正しくセグメントが受け取られたにもかかわらず, 送信側端末がセグメントが失われたと誤って判断し, セグメントを再送する現象(誤再送)に注目する. まず,誤再送が発生する原因について詳しく分析し, 誤再送によるTCPの性能劣化の度合を解析的手法を用いて明らかにした. その結果,送受信端末間の伝搬遅延時間が大きいとき, また最大ウィンドウサイズが大きいときに誤再送によって性能が大きく劣化することを示す. 次に,性能劣化を防止する方式として, 再送セグメントのラウンドトリップ時間を計測することによって再送が誤再送であったかどうかを判断し, 誤再送であれば再送を中止し, ウィンドウサイズを再送前の状態に素早く戻す方式を提案している. 提案方式の有効性はシミュレーションによって検証し, 提案方式を用いることによってセグメントを誤再送した場合にもすぐに誤再送と判断し, 性能劣化を回避できることを示す. すなわち, TCPのフロー制御方式を最小限に改変することによって ネットワークの高速化に対応できることが明らかにしている.