多重位相遅延検波合成ダイバーシチ方式移動体通信環境における特性の検討

小島 年春  三宅 真  藤野 忠  森永 規彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J81-B2   No.9   pp.846-854
発行日: 1998/09/25
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Print ISSN: 0915-1877
論文種別: 論文
専門分野: 移動体通信
キーワード: 
ダイバーシチ,  遅延検波,  系列推定,  メトリック合成,  ビタビアルゴリズム,  

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あらまし: 
差動PSK信号をダイバーシチ受信する場合,原理上は同期検波後最大比合成方式によりビット誤り率特性の理論下界を達成可能であるが,フェージング下で完全な搬送波再生を行うことは困難である.本論文では,理論下界へのアプローチとして,さきに提案した多重位相遅延検波の信号処理をダイバーシチ受信に導入し,その有効性につき検討する.フェージングにより伝送路特性が変動する場合,受信信号がコヒーレントである(すなわち,フェージングの時間相関が高い)とみなせる時間内に多シンボル遅延検波を完了する必要がある.従って,多重位相遅延検波の信号処理は,変動の緩慢なフェージング下で特に有効となり,高速変動するフェージング下では有効性は低下するものと予想される.この観点に基づき,さまざまな速さのレイリーフェージング下でのビット誤り率特性を,計算機シミュレーションにより検証した.その結果,(1)緩慢なフェージング下では理論下界に0.5dB差にまで迫る特性を示す,(2)高速変動するフェージング下でも場合により従来の遅延検波後最大比合成方式よりも良好な特性を示す,等のことが判明し,ダイバーシチ受信に多重位相遅延検波の信号処理を導入することの有効性が確認された.