スケーラブル符号化におけるドリフト誤差低減のための動き補償

岩橋 政宏  神林 紀嘉  貴家 仁志  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J79-A   No.1   pp.125-134
発行日: 1996/01/25
Online ISSN: 
Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 画像理論,音声理論
キーワード: 
符号化,  動き補償,  マルチレート,  動画像,  スケーラブル,  画質劣化,  

本文: PDF(621.2KB)
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あらまし: 
ディジタル動画像データの通信や蓄積において,単にデータ量を圧縮するのみならず,圧縮されたデータの一部から縮小画像を復号できるスケーラブル符号化が最近注目を集めている.スケーラブル符号化による復号画像には,一般に,量子化誤差,解像度変換誤差,ドリフト誤差などの画質劣化が含まれている.なかでもエンコーダデコーダ間での動き補償による予測信号の不一致により発生するドリフト誤差は,予測処理を繰り返すほど累積するため他の画質劣化に比べ顕著である.そこで本論文では,ドリフト誤差を低減できる新しい動き補償を提案する.そのためにまず,予測信号の生成過程をマルチレート信号処理に帰着させ,動き補償をフィルタ処理としてとらえる.次に,ドリフト誤差が零となるときの動き補償フィルタの理想周波数特性を明らかにし,これを近似する動き補償フィルタの設計法を与える.最後に,設計された動き補償フィルタをスケーラブル符号化に組み込み,提案法のドリフト低減効果を確認する.自然画像に対する実験の結果,従来法に比べ約2dB以上の画質改善効果が確認された.