極相互の相関を考慮したホルマント周波数変換法

水野 秀之  阿部 匡伸  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J78-A   No.3   pp.287-294
発行日: 1995/03/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 音声
キーワード: 
ホルマント周波数,  スペクトル強度,  音声合成,  基本周波数,  

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あらまし: 
ホルマントをARモデルの極に基づいて変換する場合は,変換の対象とする極とそれ以外の極との相関性のため,対象とする極の周波数を変換するのみでは見掛け上ホルマントが消失する等の問題がある.この問題を解決するため,本論文で提案する方式では,極周波数におけるスペクトルの強度を新たな特徴量として加え,繰返し処理により周波数変換後の極におけるスペクトル強度の値を所望する値に補正する.提案手法の有効性の確認のため,単語中の一音韻を音韻環境の異なる同一音韻に置換した後,提案手法によってホルマント周波数を変換し原音声に修復する実験を行った.原音声からのケプストラム距離(CD)値で修復後の音声と修復前の音声を比較した結果,修復後の音声のCD値が修復前より減少しており,提案手法がホルマントの変換に有効であることを確認した.また,提案手法によって,音声素片の接続部におけるホルマントの不連続の問題の解決と,基本周波数を変更すると同時にホルマント周波数を変換することを試みた.受聴試験の結果,提案手法によりホルマントを変換した音声は変換前の音声より好まれ,提案手法は合成音の品質向上に有効であることを確認した.