マルコフビット誤りチャネルにおけるARQ方式のスループット特性

小松 雅治  岡本 克明  樹下 行三  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J77-B1   No.8   pp.522-529
発行日: 1994/08/25
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Print ISSN: 0915-1885
論文種別: 論文
専門分野: 信号方式,通信プロトコル
キーワード: 
ARQ方式,  スループット,  マルコフビット誤りチャネル,  性能評価,  

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あらまし: 
ARQ方式の特性は誤りの発生過程に大きく依存する.本論文では,ビットタイムごとの時間経過に伴いチャネル状態が2状態マルコフ連鎖に従って変化する非スロット化チャネルとスロット化チャネルにおけるARQ方式(Stop-and-Wait方式とGo-back-N方式)のスループット特性について考察する.2状態マルコフ連鎖はビット誤りが発生しない状態1とビット誤りが発生する状態2から成り,状態1から2への遷移確率と状態2から1への遷移確率によって一意に決まる.そして,解析結果より,これらの二つの異なる状態間の遷移確率の和を1から減ずることによって得られるディケイファクタδが大きくなると,状態変化が緩慢になること,および,ビット誤り率一定のもとで,δの大小がスループット特性に影響することがわかる.更に,数値計算例より,ビット誤り率,ラウンドトリップディレイ,パケット長およびオーバヘッド長が与えられた場合,δが大きいほどスループットが大きく,また,ビット誤り率,ラウンドトリップディレイおよびオーバヘッド長が与えられた場合,δが大きくなるほど,スループットを最大にする最適パケット長が大きくなることなどを明らかにしている.