壁インピーダンス分布を考慮した声道内音響特性の3次元FEMモデルによる解析

松崎 博季  広奥 暢  三木 信弘  永井 信夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J77-A   No.3   pp.325-333
発行日: 1994/03/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 音声
キーワード: 
3次元FEM,  音響管,  壁インピーダンス,  声道伝達特性,  ホルマント帯域幅,  

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あらまし: 
声道壁のインピーダンスが一様に存在しているとは考えにくい.例えば,硬口蓋は硬く,舌は軟らかく,同じ壁インピーダンスをもっているとは考えられない.現在までのところ,3次元形状をもつ声道壁に不均一にインピーダンスが分布するときの声道内音響特性がどのような性質を示すかは,あまりよく知られていない.この不均一分布が音声生成過程における自然性,個人性などの要因の一つになっている可能性もあり,これを検討する必要があると考える.本論文では,声道部の簡単化されたモデルとして,断面が円またはだ円の音響管を用い,壁インピーダンスの分布状態を変化させたときの管内音響特性をFEMで3次元解析した結果を報告する.実験結果より,壁が軟らかさを増すにつれて,また,断面が円からだ円につぶれていくに従って,ホルマント帯域幅は増加し,ホルマント周波数付近では音圧分布および粒子速度分布ともに振幅が下がることが示された.また,壁インピーダンスが存在することにより音波は平面波ではなくなり,その分布状態の違いにより波面の形状が変化することが示された.