Bi系酸化物超伝導体を用いた積層形接合素子の作製とその高周波応答

水野 紘一  瀬恒 謙太郎  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J76-C2   No.6   pp.378-384
発行日: 1993/06/25
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Print ISSN: 0915-1907
論文種別: 特集論文 (高温超伝導エレクトロニクス論文小特集)
専門分野: 積層型接合・トンネル接合
キーワード: 
超伝導エレクトロニクス,  酸化物超伝導体,  ジョセフソン接合,  Bi-Sr-Ca-Cu-O,  

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あらまし: 
酸化物超伝導体を上下の超伝導電極に用い,更にその超伝導電極と類似の結晶構造を有する酸化物をバリヤ材とした接合形のジョセフソン素子がいくつか報告されている.これらの素子の動作,または特性が,完全に従来のジョセフソン素子の理論で説明されるか否かは議論の要するところである.この点に対する議論を深めるために,他の酸化物超伝導体材料,または酸化物バリヤ材料を用いた素子例を増やすことは意味のあることである.本論文では,上下超伝導電極にBi系酸化物超伝導体である2212相のBi2Sr2Ca1Cu2O8+δ(BSCCO)を用い,バリヤ層に同じく2212相のBi2Sr2Nd1Cu2O8+δ(BSNCO)を用いた接合形の素子を作製した.接合面積は10×10μm2または20×20μm2である.積層構造において,バリヤ層であるBSNCO中にはCaが拡散していると考えられ,そのために素子抵抗の値はBSNCO膜の抵抗率より換算したものより小さかった.また素子はS/N/S形の電流電圧特性を示し,マイクロ波照射に対してシャピロステップが観測された.それと同時に従来のacジョセフソン効果では説明できない電流ステップも観測された.これらの振舞いについてはより詳細な検討が必要である.