スペクトル拡散多元接続のための拡散処理利得を用いたTDLアダプティブアレーアンテナ

王 禾豊  河野 隆二  今井 秀樹  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J75-B2   No.11   pp.815-825
発行日: 1992/11/25
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Print ISSN: 0915-1877
論文種別: 特集論文 (空間領域における適応信号処理とその応用技術論文特集)
専門分野: 
キーワード: 
スペクトル拡散多元接続,  他局間干渉,  アダプティブアレーアンテナ,  ディジタルフィルタ,  拡散処理利得,  指向性パターン,  時間・空間フィルタリング,  

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あらまし: 
スペクトル拡散多元接続(SSMA)における他局間干渉の対策として,これまでにアダプティブディジタルフィルタとアレーアンテナ,およびその組合せ方式が提案されていた.しかし,これらの方法では,アレーアンテナを適応的に更新するために,一般的に受信側で希望波と相関の大きい参照信号の生成が必要となる.SSMAでは,従来,アレーアンテナの重み係数の更新に,復調データの再拡散により得られる参照信号を用いる方法が提案されてきたが,入力干渉と雑音電力の増加に伴ってアレーアンテナの収束が困難となる.また,従来の方式では,一つのアレーエレメントに一つの重み係数を対応させたアレーアンテナについての検討がほとんどであったが,干渉信号帯域幅の拡大に伴ってアンテナ出力に干渉信号の周波数成分が十分に除去できなくなるという欠点がある.本論文では,まず,空間領域におけるアレーアンテナの干渉除去能力を向上するという観点から,アレーアンテナ更新用誤差信号における他局間干渉と雑音成分を軽減することに着目し,拡散処理利得を用いたアダプティブアレーアンテナの更新法を提案する.更に,時間領域におけるアレーアンテナの干渉除去効果を高めるという観点から,広帯域のスペクトル拡散信号に対する帯域阻止フィルタとしての周波数特性を改善するために,TDLアダプティブアレーアンテナを用いた受信方式を提案する.最後に,計算機シミュレーションにより更新法の基本特性および受信システムの性能を明らかにし,従来方式より高い干渉および雑音電力の環境下においても良好の特性が得られることを示す.