DCT符号化の繰返しによる画質劣化の累積回避

安藤 大  東野 豪  谷中 一寿  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J75-B1   No.3   pp.165-172
発行日: 1992/03/25
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Print ISSN: 0915-1885
論文種別: 論文
専門分野: 情報源符号化
キーワード: 
DCT,  画像符号化,  JPEG,  非可逆符号化,  

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あらまし: 
連続階調をもつ静止画像の高能率符号化法であるDCT符号化は大幅な画像圧縮が可能であり,CCITTとISOの共同作業体である.JPEGで国際標準化されつつある符号化方式のうち,最も基本となるベースラインシステムに採用されている.しかしこの方式は非可逆符号化であるため,一度符号化した後,復号化した画像に対し再度符号化/復号化を繰り返すと,誤差の累積による画質劣化が進行してしまう.この主な原因はDCT後の変換係数に対して行う量子化と,復号時に輝度値を整数にするときの4捨5入である.本論文では量子化ステップ幅Qがある条件を満たし,かつ一度符号化/復号化した画像が原画像のビット数で表現できる範囲に収まっているならば,その復号画像を同じ量子化テーブルを用いて再度符号化した場合,前回と同じ値となり,それ以上の画質劣化は起こらないことを理論的に示した.また一度符号化/復号化した画像が原画像のビット数で表現できる範囲を超えている場合にはその値を制限する必要があるため,その画像を再度符号化した場合のDCT変換係数は前と同じになるとは限らない.しかしこの場合においても,有限回の符号化の繰返しで収束し,そのときのSN比の低下はごくわずかであるというシミュレーション結果を得た.