全域通過回路を用いた直線位相2次元ハーフバンドIIRフィルタの設計

池原 雅章  磯部 広幸  田中 宏幸  黒田 英夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J75-A   No.7   pp.1164-1170
発行日: 1992/07/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: ディジタル信号処理
キーワード: 
2次元IIRディジタルフィルタ,  ハーフバンドフィルタ,  線形位相,  minimax近似,  

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あらまし: 
本論文では,2次元ディジタル全域通過回路と遅延器との並列構造による直線位相2次元ハーフバンドIIRフィルタの設計法を提案する.代表的な2次元ハーフバンドフィルタとしてファンフィルタやダイヤモンドフィルタがあり,これらの設計に関するさまざまな方法が示されている.本論文では,これらの特性のみならず,一般的な2次元ハーフバンドIIRフィルタの設計法を示す.しかしIIRフィルタでは,低次数で良好な振幅特性は得られるが,安定性の問題,そして完全な線形位相特性は実現できない,という問題がある.そこで本方法では,全域通過回路と遅延器の並列構造とすることにより,構造的に線形位相条件を課し,また全域通過回路の安定条件から遅延器と全域通過回路の次数の関係を示す.また,ハーフバンド特性と象限対象の条件から全域通過回路の係数パラメータの条件を導出し,伝達関数の分子多項式が簡単な実関数で表されることを示す.この分子多項式に対してminimax近似を適用し,分母多項式を重みの1要因として扱うことによりフィルタを設計するという手法を用いている.最後に具体的な設計例により,本方法が任意の2次元ハーフバンドフィルタを設計できることを示す.