粘弾性体モデルを用いた声道壁インピーダンスについての考察

神山 直久  三木 信弘  永井 信夫  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J75-A   No.11   pp.1649-1656
発行日: 1992/11/25
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Print ISSN: 0913-5707
論文種別: 論文
専門分野: 音声
キーワード: 
声道壁,  音声合成,  粘弾性,  MRI,  インピーダンス,  

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あらまし: 
声道壁インピーダンスの実測値の報告例をもとに,その周波数特性をよりよく近似することが可能な声道壁モデルを,粘弾性体モデルから得た.これにより,厚さを表すパラメータを変化させることで,異なった軟らかさをもつ壁インピーダンスの特性を近似することが可能である.頬の機械インピーダンスの実測値など,従来の結果をそのまま声道モデルに組み入れると,ホルマントの帯域幅に及ぼす影響が過大になっていたのは,声道内の壁には硬い,あるいは軟らかい部分が存在するためと考えられる.本論文では,粘弾性壁のインピーダンスによって声道の壁厚の分布を模擬する方法を提案する.実体に即した考察を行うため,MRI-CTによって得られた断層画像を使用して声道断面積関数を求め,粘弾性壁モデルから求めたインピーダンスを利用した声道断面積関数を計算したところ,実音声と比べて妥当なホルマントと帯域幅をもつスペクトルが得られた.これにより壁インピーダンスの実測結果と声道内の壁振動による音波の減衰との関係を,実体に即して説明することができた.