範囲検査アドレッシングを有するFLATS2アーキテクチャと性能評価

市川 周一  佐藤 三久  後藤 英一  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J74-D1   No.5   pp.329-338
発行日: 1991/05/25
Online ISSN: 
Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 論文
専門分野: 計算機システム
キーワード: 


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あらまし: 
FLATS2は,資源共有型MIMDの一種である循環パイプライン方式の計算機である.本論文では,FLATS2の命令セット設計とその実現について述べ,配列処理等について効率的な処理が可能であることを示す.更にFLATS2での評価結果を示し,考察を加える.FLATS2の命令セットは,既存のスカラ命令の拡張である.FLATS2のアドレシングモードには範囲検査機能が付加されており,更に検査結果に応じて分岐を行う機能がある.アクセスアドレスが指定範囲内にある場合,実際にメモリオペランドに対して演算が実行され,指定番地への分岐が発生する.範囲外であれば,分岐せず次命令へ進む.これらすべての操作を1命令で実行することによって,数値計算や記号処理において配列処理を効率良く実行することができる.例えば,ループによる繰返し処理においては,ループ制御の時間をメモリアクセスや演算の実行に重畳させて隠すことができる.結果的に,算術演算器には連続的にデータが供給され,高い数値演算性能が実現される.更にFLATS2では,複合命令によって1命令当り複数の演算処理を行うことを許した.これによって,更に演算性能が改善される.