複素等価回路による量子効果現象の定式化

大谷 直毅  永井 信夫  鈴木 正清  三木 信弘  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J73-C1   No.11   pp.683-689
発行日: 1990/11/25
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Print ISSN: 0915-1893
論文種別: 論文
専門分野: 量子エレクトロニクス
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あらまし: 
電子デバイスの小型化が著しいため,量子効果現象の定式化や超格子系などの量子効果デバイスの設計法の確立などが重要となってきた.本論文では,階段ポテンシャルでの電子波の散乱,およびポテンシャルバリヤでのトンネル効果などの1次元散乱問題を回路理論で考察することを試みている.すなわち,時間項を含むシュレディンガー方程式は複素係数を含むことに着目し,その等価回路に無損失回路素子である虚数抵抗を導入することを考えた.その結果,電子のエネルギーがポテンシャルより大きい領域は無損失伝送線路に対応し,ポテンシャルバリヤ内部はリアクタンス素子を用いた集中定数回路による表現が可能であることを示した.また,電子の散乱現象を回路の電圧に対応させるならば,確率の保存則を有効電力に対応させることができ,伝送回路の理論が量子効果現象に有効であることを示した.更に,共鳴トンネル効果および単一量子井戸の固有エネルギーなども本手法で計算可能であることを確認している.