バイオ素子モデルに基づく超多値・高並列理論回路網の構成

亀山 充隆  青木 孝文  樋口 龍雄  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J72-D1   No.7   pp.535-544
発行日: 1989/07/25
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Print ISSN: 0915-1915
論文種別: 論文
専門分野: 計算機構成要素
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あらまし: 
多値情報処理システムにおいて論理値の超多値化が可能となれば,情報の直接的な多値符号化を徹底して行うことにより,よりいっそうの情報の高密度化や,ハードウェアアルゴリズムの簡素化などが可能となり,さまざまな応用上の利点が見出せると考えられる.このような超多値論理システムの実現を目的として,本論文では,酵素の基質特異性すなわち高度な多値識別能力に着目したバイオ素子モデルとそれに基づく超多値・高並列論理回路網を提案する.まず,有機分子の種類を多値符号化しこれを論理値とみなす方法について述べ,次いでこれらの分子情報をスイッチングする基本的なバイオ素子モデルを定義する.更に,有機分子の集合的な性質を利用することにより,任意の多値論理関数が,常に上記の基本素子の2段論理回路網で構成できることを示し,最後にその最小化を目的とした合成法を明らかにする.本システムにおいては,論理値間に物理的な順序関係が存在しないことが,従来の多値論理システムと異なる重要な特徴となっている.従って,本論文では,各論理値の隣接性に制限されない論理回路簡単化の方法が新たに考察されている.