低しきい値量子井戸レーザの高速,零バイアス変調

中村 優  古山 英人  黒部 篤  

誌名
電子情報通信学会論文誌 C   Vol.J71-C   No.5   pp.727-731
公開日: 1988/05/25
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Print ISSN: 0373-6113
論文種別: 特集論文 (光集積回路特集)
専門分野: 半導体光集積回路
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あらまし: 
LSIのチップ内あるいはチップ間の光配線のような高速・高密度光電子集積回路を実現しようとするとき,現状の半導体レーザでは,変調時に必要とする光出力安定化回路とバイアスセットは回避したい課題である.半導体レーザのしきい値を,駆動電流値に対し十分小さくすることができれば,半導体レーザの光出力は温度に対し十分安定となり,また零バイアスのパルス駆動でもスイッチオン遅延時間を小さくできる.しきい値が4mAのGaAs/GaAlAs多重量子井戸レーザを用い高速,零バイアス・無出力制御での光変調実験を行った.定電流値20mAの駆動において0~50℃での温度変動は+0.45~-0.45dBであり,通常の光通信システムでの要求値±0.5dB以内という条件を満足した.零バイアスでのパルス応答は,パルス電流を34mAとしたときに150psのスイッチオン遅延時間が観測され,1GbpsのNRZ信号に十分応答した.スペクトルは安定な縦多モード特性を示し,干渉性は弱いことから戻り光に対し安定であることも期待された.光電子集積回路の開発上重大な障害はしきい値が数mAの半導体レーザで克服されたと考えられる.