音痴の音高感覚に関する検討

米沢 義道  伊東 一典  平野 圭蔵  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J71-A   No.8   pp.1532-1538
発行日: 1988/08/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
専門分野: 聴覚
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あらまし: 
音の高さに関する感覚は歌を歌う場合に重要で,発声音の周波数精度が悪いとしばしば音痴と称される.音痴については今まで音楽教育および聴覚生理学の分野で多少の研究がなされてはいるが,積極的にこれを改善する手法に結び付いた検討はなされていないようである.我々は,音の高さに対する感覚の精度を音階および単一音の発声精度測定などを通して検討し,音痴の発声精度は正常者に比べて悪く,音階発声の周波数誤差は約3倍(境界値0.65%),単一音発声で約5倍(境界値1.5%)あることを示した.そしてこの誤差の原因が自己発声を含む複合音からの基本周波数の抽出精度の悪さによるものであることを見出した.この結果から,発声音からピッチ抽出を行いこれと同一周波数の純音を耳に返す方法により音痴の発声周波数の誤差を軽減できる可能性のあることを示した.