1入力多出力形ディジタルラチスフィルタによる近似関数の評価基準―分波器の一設計法―

鈴木 正清  永井 信夫  三木 信弘  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J71-A   No.2   pp.297-305
発行日: 1988/02/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 特集論文 (信号処理特集)
専門分野: ディジタルフィルタ
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あらまし: 
本論文では,回路網理論のRichardsの定理から導かれるARMA形ディジタルラチスフィルタの拡張として,1入力多出力形のディジタルラチスフィルタを導く.本ラチスフィルタによれば,有界実関数と絶対値2乗可積分関数について,それぞれのインパルス応答を部分表現する関数が実現される.これらの補間関数が,いずれも最小2乗誤差評価基準の下での近似関数であることを明らかにする.また,理想フィルタのインパルス応答を用いる本ラチスフィルタの回帰的な構成法を示し,これを分波器の設計に応用する.本設計法では,通常のフィルタ設計で行われるフィルタの近似とその実現の二つの過程が一つにまとめられ,また,しばしば計算精度が問題となる根の計算を必要としない.更に,与えられた各出力へのインパルス応答が同時に一つの安定な系によって部分実現できるかどうかが本ラチスフィルタの係数から容易に判定される.本論文の最後に,本設計法による分波器の設計例を示す.