母音間の相対関係モデルに基づく不特定話者母音認識

   木村 正行  

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J69-D   No.9   pp.1320-1327
発行日: 1986/09/25
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Print ISSN: 0913-5713
論文種別: 論文
専門分野: パターン認識・学習
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あらまし: 
母音の音韻性は,その特徴空間における絶対位置よりも相対位置間の関係により多く支配されるという見方が古くからある.これは主に母音の第一,第二ホルマントの分布から得られた知見である.本論文では,このような知見を母音認識に役立てようとする立場から,同一話者が発声した日本語5母音のケプストラム係数空間における位置の間には,話者によらないと見なし得る相対関係が存在することを示し,そのような関係を記述する相対関係モデルを提案する.次に,このモデルを用いて,不特定話者母音認識を二段階に分けて行う.(1)話者の音声から検出された母音系列を外部標準パターンとマッチングをとることにより3位までの候補リストを作成する.(2)相対関係モデルに基づいて,リストアップされた候補の相互関係を評価し,矛盾の最も少ない最適候補系列を弛緩法アルゴリズムを導入して効率よく求める.この手法の特徴は,候補リストに真の候補が含まれていれば,候補間の相対関係を用いることにより高精度で真の候補系列が得られると同時に話者適応が可能となる点にある.更に,認識実験によりその有効性を確かめている.