マイクロ波による深部局所ハイパサーミアのためのE,H両面集束レンズアプリケータ

二川 佳央  勝又 徹  菊地 眞  森 真作  

誌名
電子情報通信学会論文誌 B   Vol.J69-B   No.1   pp.88-95
発行日: 1986/01/25
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Print ISSN: 0373-6105
論文種別: 論文
専門分野: 電波応用
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あらまし: 
癌の物理療法として近年注目されているハイパサーミア(温熱療法)において,マイクロ波による誘電加熱を用いると加温の対象である筋肉の発熱が期待できるが,一方生体内部での電磁波の減衰が大きくなるため,深部に存在する癌患部の加温が望めない.本論文では電磁波を生体に照射するためのアンテナ(アプリケータ)として,著者らが提案してきた磁界面(H面)に電磁波集束作用を持つものに加え,さらに電界面(E面)の集束も有する実用性の高いアプリケータ(E,H両面集束レンズアプリケータ)を提案,試作を行ない,理論解析と共に筋肉を模擬したファントムモデル(模擬生体)加温実験を行なった.この結果,理論と実験結果との一致が得られ,試作したアプリケータに表面冷却装置を併用することにより,温度最高点の深度が,開口面の大きさが等しく従来から一般に用いられてきた単純な導波管に比べ2倍以上となった.さらに同様の理論を用い2450MHzにて,癌を含む生体モデル加温シミュレーションを行なった結果,一般にこの周波数における筋肉層の表皮深度が17mmであるにもかかわらず,ハイパサーミアの加温範囲は30mm以上(表皮深度の2倍程度)に達し,開発したアプリケータの有効性が示されたので報告する.