一次,二次情報による伝達関数の補間に関する回路的一考察

鈴木 正清  永井 信夫  三木 信弘  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J69-A   No.7   pp.858-868
発行日: 1986/07/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
専門分野: 回路理論
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あらまし: 
ウェーブディジタルフィルタ(WDF)は,無損失アナログ回路の動作を模擬する低係数感度ディジタルフィルタである.ディジタル信号処理で用いられるラティス形ディジタルフィルタ(ARラティスフィルタ)は,単位素子(u.e.)の縦続回路に等価なWDFである.この関係の一般化として,ARMA過程のモデリングフィルタを実現するWDFが得られており,WDFを用いる回路網理論のディジタル信号処理への応用が試みられている.従来のWDFは,ARラティスフィルタを除き,実現すべき伝達関数を基に構成される.本論文では,従来の回路網合成法とは異なり,定常確率過程のモデリングフィルタを近似する回路網を,自己相関係数(二次情報)とモデリングフィルタのインパルス応答(一次情報)の有限個のデータを用いて,回帰的に合成する方法を提案し,近似伝達関数を実現するラティス形ディジタルフィルタを導く.近似伝達関数は,その一次,二次情報がそれぞれ部分的に上記のデータに一致するものである.また,Kalman,Mullis等の示す変形最小二乗近似解も本ラティス形ディジタルフィルタで実現できる.本ラティス形ディジタルフィルタは,WDFの一種であり,大局的な安定性と内部の局所的な安定性との関係が明確である.