多段分布結合橋絡T形回路の非巡回形及び巡回形伝達関数に関する一考察

坂上 岩太  羽鳥 孝三  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J65-A   No.7   pp.634-641
発行日: 1982/07/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文
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近年,ギガビット帯における信号処理や波形処理用回路としてマイクロ波帯領域で使用されている分布定数回路が有用性を持っていることが知られてきた.本文は分布定数回路の中でも結合線路をn区間とする平面構成可能な多段分布結合定抵抗橋絡T形回路を取上げる.初めに,橋絡T形回路のn区間結合線路部分の等価回路として信号流れ線図を求める.この信号流れ線図によると,回路の伝達関数は一般的に分母,分子がともにz-1n次の実係数有理整関数を取ることがわかる.しかしながら,回路の素子値の選び方によっては分子がz-1の有理整関数で分母が定数のみの非巡回形伝達関数や,分子が定数のみで分母がz-1の有理整関数となる巡回形伝達関数も得ることができる.そのためにはn区間結合線路を伝搬する後進波の反射係数を全て零にしてやればよい.この結果,橋絡T形回路が取り得る異なった形の伝達関数式に対して,ディジタル周波数逓倍器,固有ひずみを伴わない符号変換器やパルスエコーひずみを補償する波形等化器など特徴ある応用例が考えられ,これについても述べている.