ディジタルフィルタの特性改善に関する一検討

平井 宏  滑川 敏彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J55-A   No.1   pp.1-8
発行日: 1972/01/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文・資料
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あらまし: 
ディジタルフィルタの設計において,周波数特性の改善の一方法として伝達関数に零点を適当に付加することの可否を検討する.ここでは,主に実係数フィルタに固有の共役極の存在によるひずみの除去という問題に限り,実軸上に零点を付加する方法を提案する.具体的な例として,二次ディジタルフィルタ(共振フィルタ)設計ならびに整合Z変換を用いたButterworth帯域フィルタ設計を取り上げる.その結果は,修正が可能であり,その改善度も大きいことがわかった.さらに,二次ディジタルフィルタの特性改善について,一次ディジタルフィルタを単に周波軸上で平行移動した形との特性の差の二乗平均値を最小にする意味での最適の零点の位置を近似的に求める簡単な代数式を導いた.また,Butterworth帯域フィルタの例では,整合Z変換に有利な低域-帯域変換の近似式を提案した.整合Z変換によるひずみに加えて,この近似の誤差も零点付加により修正できることを示した.零点付加という,フィルタ構成上ほとんど問題とならない操作が,もっと一般のフィルタ設計においても特性改善に役立つであろうことが類推される.