多値伝送路符号系の誤り検出特性の一般的解析法

藤原 値賀人  笠原 正雄  滑川 敏彦  

誌名
電子情報通信学会論文誌 A   Vol.J55-A   No.10   pp.525-532
発行日: 1972/10/25
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Print ISSN: 0373-6091
論文種別: 論文・資料
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あらまし: 
ディジタル通信に用いられる伝送路符号やパーシャルレスポンス方式はその本来の目的以外に,たとえば誤り検出能力をも有していることはよく知られている.著者らはすでに伝送路符号の誤り検出特性のフローグラフによる解析法を示したが,この方法はバイポーラ符号などの符号化過程が2状態で表わされる方式には有力であるが,3状態以上で表わされる方式に対してはきわめて複雑となり適用が困難である.本論文ではこれらの誤り検出特性を解析するための一般的な手法として行列による解析法を明らかにし,実用上有用な各種の伝送路符号および代表的なパーシャルレスポンス方式の誤り検出特性を具体的な数値例により与えている.この結果つぎのことが明らかになった.(1)クラス-2パーシャルレスポンス方式,Hold形バイポーラ符号および差動二進三値符号を除く各方式は,誤り率が10-1程度に劣化してもほぼ0.9程度の誤り検出確率を示す.また特に冗長度の大きいクラス-2パーシャルレスポンス方式は0.999以上のすぐれた検出確率を示す.(2)Hold形バイポーラ符号と差動二進三値符号は誤り率に無関係にそれぞれほぼ0.67および0.78の誤り検出確率を示し.同一冗長度の通常バイポーラ符号に比べかなり劣る.このように誤り検出確率はほぼ冗長度に比例するが,冗長度を同一にする符号の中にもかなり明りょうな差が認められるので,回線の実時間監視を行なう際にはこのことに十分留意する必要がある.